いじめ問題 命を救うために
スイスの学校では、生徒の5~10%がいじめを受け、悪夢のような学校生活を送っている。被害者は泣き寝入りするケースが多く、その後も苦しい時間は長く続く。
専門家は、学校におけるいじめ防止対策の強化を提唱する。
「なんでここにいるんだよ。邪魔なんだよ。死んじゃえ」。
こんなひどい言葉を投げつけられれば、人は深く傷つく。ロアーヌ・ゴステリさんはこんな言葉を学校で聞かされ続けてきた。侮辱、からかい、脅し。ジュラ州の小さな村の学校生活は地獄と化した。
「9年間、学校に通うのがつらくてつらくて仕方がなかった。登校するときはこれ以上ゆっくり歩けないというくらいにノロノロと歩いたし、仮病を使って学校へ行くのをやめようとしたこともある」と、現在20歳になるゴステリさんは語る。携帯電話を持つようになると、いじめはメッセージやインターネット上にも広がったと言う。
6歳の時に両親が離婚し、その後ゴステリさんの体重が増え出した。これが試練の始まりだった。「馬鹿にされるたびに太り、太るたびにもっと馬鹿にされる」という悪循環に陥った。教室では鉛筆や丸めた紙を投げつけられ、何か言おうとするとクラスの全員が笑った。
いじめの影響が出るのは早かった。成績が下がり自信も無くなっていった。「最後の3年間はまったく勉強しなかった。授業中は先生の話も聞かず、ノートに落書きをしてやり過ごしていた」と、ゴステリさんは当時を振り返る。
唯一の希望は、卒業して菓子職人の職業訓練を始めることだった。そうなればやっといじめも終わるだろうと思っていた。ところが、職場の同僚からも体型のことでからかわれてしまう。「この職業を選んだのはたくさん食べられるからだろう、などと言われた」。もう限界だった。ゴステリさんは職業訓練をやめたばかりか、自殺未遂まで起こしてしまう。
そんなゴステリさんがようやく自分を解放することができたきっかけは、ある施設で受けたセラピーだった。現在は、美容師になる訓練を受けながら充実した日々を送っている。なによりも、いじめを受けた体験について話すことができるようになった。これは将来に向けた大事な一歩だ。とはいえ、悪夢が完全に終わったわけではない。「(仕事場の)美容院ではなんの問題もないが、職業訓練学校ではまだいじめられることがある」
沈黙の鎖を断つ
ゴステリさんは、同じようにいじめを受けた経験を持つシャルレーヌ・コーベルさんと共に、「Brisons le silence(沈黙を破ろう)」という名の掲示板をインターネットに立ち上げた。被害者となった子どもやその親が投稿した経験談を一部公開している。2人は発言こそがいじめ解決への近道だと確信しており、学校で自らの体験を語りながら意識向上を図る運動も行っている。
現在25歳のコーベルさんも学校でいじめられ続けた。「ときに理由もなく泣き出すような繊細な子どもだったせいで、いじめられやすかった」。いじめについて相談できる人はおらず、両親やきょうだいにも明かせなかった。家族の介入でいじめの加害者を挑発し、状況をますます悪化させるのではと恐れたのだ。
そうして孤独に追い込まれた若いコーベルさんは、暗い部屋に閉じこもって陰惨な文章を書きつづるようになった。その中では必ず誰かが死んだ。そのうち、書くことで自分の中の苦しみを吐き出せることに気づいたコーベルさんは、「Brisee(折れた・壊れた)」という題名で、学校でのいじめをテーマとした小説を書き上げる。
どのクラスにもいるいじめの対象者
こうしたケースはまれではない。ヴァリス(ヴァレー)州が行った調査によると、学校でいじめを受けている子どもは全体の5?10%に上る。「この数字は、15%という国際平均より低い。しかし、ほぼ1クラスに1人がいじめを受けている計算だ」と、ジュネーブ大学子どもの権利センター研究員のゾエ・ムーディさんは説明する。
ムーディさんはまた、典型的な被害者タイプというものは存在しないと言う。しかし、体重や人種、性的志向や知能などで目立った特徴が一つでもあると、いじめを受けやすくなる。
いったんいじめが始まると、それは被害者に広範囲かつ長期にわたる影響を及ぼす。ムーディさんはその例として、孤立、不登校、成績の落ち込み、自傷行為、うつ病、自殺未遂、さらには実際に死に至る自殺を挙げる。
しかし、話し合いを持つだけでいじめの悪循環を断ち切れる場合もある。自分自身を守り、抵抗することがどれだけ大事か、それは学校に通っている時からすでに学べることなのだ。
記者名:Katy Romy
転載:swissinfo.ch
イジメ表面化の半年経過後に「重大事態」認定!豊田市教委
深刻ないじめを届出てこない事例が多くあり、文科省が調査の内容を見直すことを教育委員会などに通知したことから、表面化したことで豊田市教育委員会の認識は・・・。
いじめが始まったのは入学直後の昨年五月。
同級生から「鬼ごっこ」と称して嫌がらせを受けたことを契機に、教室内で脚を掛けられたり、肩をぶつけられたりするようになった。
上履きを移動させられたほか、後ろから蹴られるなどの暴行や「きもい」「変態」などの暴言も続いた。
生徒は九月以降、一部の授業しか出席できなくなった。
生徒は十月、母親に「布団で窒息死できるか試した」と自殺をほのめかした。
十一月初旬には泣きながら「電車に飛び込む」と自宅を飛び出し、駅近くで母親が見つけ引き留めた。
母親は「このままでは自殺しかねない」と追い詰められ、その都度、学校や市教委へ訴えていたが、いじめが続き、私立中学への転校を選んだ。
生徒は精神的に不安定な状態が転校後も続き、精神科に通院した。
豊田市立中の被害生徒がいじめに苦しんで自殺をほのめかしていたことを、母親からの連絡で学校と市教委は把握していた。
だが市教委によると、完全な欠席日数が目安以下の十六日だったことなどから、母親の申し立てを受けるまで、重大事態と捉えていなかった
中1男子、いじめ受け転校 豊田市教委、半年経て本格調査
愛知県大丈夫?
参考:愛知県いじめニュース
母親の勇気ある決断が最悪の事態を防ぐことができました。
学校では「いじめ」で片付けますが、一般社会では『暴行障害』の犯罪です。
学校や教育委員会が犯罪を見過ごすなら、実績と信用のある専門家を選んで相談することをお勧めします。
[ 探偵事務所・興信所の最良の選び方 ] を参考に、実績と信用のある専門家に無料で相談できますので深刻な事態を招く前に是非ご利用ください。
「どうせ無理」をなくすには、「夢をかなえる」には
もし 今いじめられているならちょっとこの動画を見てください。
その辺のおじさんのようで最初はつまらないと感じるかもしれませんが、そのまま”ながら見”で良いので切らないで何かしながら聞いていてください。
このおじさんも教師によるいじめを受けていました。
動画の下にはフェースブックに書かれていたイジメ体験を読みながら聞いてみてください。
きっと得るものが有ります。
僕が子どもの頃、帽子を取られました。
僕が、返してもらおうとしても、みんなが上手に帽子を投げてキャッチするので、
僕は、みんなの輪の中を、くるくるするだけです。
それをみんなが笑います。大切な帽子だったので、乱暴に扱われるのがいやでした。
とても悲しかったし、取り返せない自分が悔しかったです。
で、結局、僕は人間を攻撃します。そしてけんかになります。
で、先生に怒られます。彼らの言い分は「一緒に遊んでいただけす」「ちょっとふざけただけです」「植松君も楽しんでいたと思いました」です。
僕は、泣きじゃくっていて、ちゃんと答えられません。
先生が言います。「みんな、遊んでいただけだって言うぞ?それを、お前が怒るからダメじゃないか。」
そのとき、僕は、「なるほどね。もう、先生を信じちゃいけないんだな。」と思いました。
以来、僕は、人とかかわらなくなったと思います。
そもそも、ふざけたい人たちに近寄らなければいいのです。
そんな人の仲間にしてもらおうなんて思わない方がいいのです。
僕のパーソナルエリアは、とてつもなく広くなりました。
人間は、相手の気持ちがわからないです。
だから、いじめは、「他人がどう感じたか」をいくら考えても、情報になりません。
「いじめを見た事がありますか?」
=うーん、あれはいじめかなあ、ふざけてるだけかも・・・
「嫌な思いをしている人はいますか?」
=いやー、人の気持ちはわからないし・・・
「いじめられたことはありますか?」
=あれはふざけてたのが、ちょっとエスカレートしただけかも。そんなことを、がまんできない自分がだめなのかも・・・
になってしまうことがほとんどです。
現在の学校では、「いじめ」の定義が曖昧で、しかも、「いじめ」を判断するのは先生や教育委員会です。
先生や教育委員会が「いじめ」を「ただふざけているだけ」と判断したら、「いじめ」は生じていないことになります。
これで、「いじめ」が無くなるわけないです。そして、「いじめ」ののりこえかたや、「いじめ」の恐ろしさを知らない人たちは、社会に出てから、いっそう大変になります。
つらい思いをしてる人に、
「それは、お前の思い過ごしだ」「気にしすぎだ」「気にするな」と言ってしまう大人が、いかに多いことか。
僕は、助けてくれなかった先生を信じなくなりました。でも、そのあと、助けてくれる人や、信じられる人と、たくさん出会いました。
一人ではできない事ができるようになりました。だから、人間でどんな嫌な思いをしても、人間を嫌いにならない方がいいと思います。
この世には、必ず、信じて支えてくれる人がいます。人間を嫌いになって、関わりを立つと、そういう人と出会うチャンスを失います。もったいないです。
でもね、やっぱり、恐ろしい人はたくさんいます。
そういう人と、距離を置くのも大事です。
そのためにも、沢山の人とかかわって、関わり方を学んだ方がいいと、僕は思います。
引用:植松努:フェースブック
いじめ調査はほとんど全てが身内で行われ死を持って表面化させない限り、「ただふざけているだけ」と生徒や先生や教育委員会が判断すれば、そこから先には進まなくなります。
動画にあるように「どうせ無理」をなくすには家族の助けも必要です。「夢をかなえる」には一旦逃げることも重要になってきます。
スイスの学校でのいじめ、なぜいじめは起こるのか?そして対策は?
マウラー奈生子
2014-03-11 11:00
ここ数年、スイスのメディアでひんぱんに取り上げられる学校でのいじめの問題。目・髪・肌の色、言語、国籍、宗教、家庭など、さまざまな容姿やバックグラウンドを持つ生徒たちが集まるスイスの学校。ここではこうした多様性ゆえに、異質なものを受け入れる力が子供たちにあるのではないか?それでもいじめがあるのはなぜだろう?
言葉ひとつを取ってみても、スイスには独・仏・伊語にロマンシュ語と四つの言語があり、外国人も多く、授業で使われる言語を母語としない生徒数は、小・中学校で25%にのぼるといわれる。中には授業の言語を母語とする子供が1人もいないクラスさえある。その多文化が混在するスイスの学校で、小学校で約10%、中学校で2~5%のいじめの被害者がいるという。
子供と青少年専門の心理療法士として、スイスのドイツ語圏で活躍中のヴァルター・ミンダーさんは、これまで国や地方の団体と共にさまざまないじめに関するプロジェクトに関わってきた。スイスインフォはアールガウ州にある彼のカウンセリングセンターを訪ね、いじめの本質やその対策について聞いた。
いじめの定義
一人あるいは数人が、一人あるいは数人を、くり返し長期間にわたって、身体・言語的な暴力や、徹底的に無視することや、あるいは人前で恥ずかしい思いをさせることで、被害者をまったく価値のない人間であるかのように扱うこと。その特徴は、そこに強者と弱者がいること。また、いじめは、加害者、「共犯者」、傍観者、被害者がつくるグループの中で起こる「グループ現象」である。(ヴァルター・ミンダーさんの定義)
swissinfo.ch : ミンダーさんは「いじめはグループ現象である」と定義されますが(右欄参照)、それはどういうことなのでしょうか。
ヴァルター・ミンダー : いじめは、被害者のまわりにいる加害者、「共犯者」、傍観者が形成するグループ内の現象。自分がいじめの対象になるのが怖くて加害者の側につく子(共犯者)や、見て見ぬふりをする子(傍観者)がいる。
つまり、グループ内に無意識のうちに成立した「暗黙の了解」のようなものがあって、皆がそれに従う。従わないものは罰せられたり、いじめの対象にされたりする。従ってグループ現象だと定義している。
swissinfo.ch : こうしたタイプの子がいじめられるといった、ある種の「タイプ」があるのでしょうか。
ミンダー : 基本的には、すべての生徒がいじめの被害者になりうる。ただ、誰が犠牲になるかは、クラスの雰囲気が大きな要因。また、犠牲になる生徒のタイプというものが多少ある。傷つきやすく抵抗することのできない子、服装とか行動がどこか違う子、気性が激しい子、クラスの仲間に溶け込んでいけない子などだ。
swissinfo.ch : では、太っているとか違う言語を話すといった、一般的に考えられる異質性が問題ではないということですか?
ミンダー : 前述のように、いじめはその子とグループの関係による。クラスに外国人が一人だけ、またはスイス人が一人だけという場合もあるだろうが、それだけでいじめられるわけではない。同様に、太っているだけでいじめられたりはしないが、太っていて気が弱くクラスの雰囲気に溶け込めないなど、他の要因が重なるといじめられやすい。
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それと、ある子供がいじめられるかどうかは、そのグループの中に守ってくれるような友達がいるかどうかも決定的な要因になる。
いじめの問題で学校を訪問すると、本当に異質なものを持った子がクラスにいるのだが、そういう子は逆にクラスの人気者であることが多い。いじめられるのは大抵ごく普通の子だ。メディアも、残念ながら教育の専門家さえも、いじめの被害者の異質性の問題に焦点を当てがちだが、そこで見えなくなるものがある。私が強調したいのは、いじめはグループ現象で、最大の問題は被害者にあるのではなく、グループの方にあるという点だ。
swissinfo.ch : いじめられないようにするには、どうしたらよいでしょうか。
ミンダー : 被害者の努力のみで、いじめが解決されることはまれだ。教師と親が積極的に対処し、グループの中の「暗黙の了解」を崩すことが大切だ。教師と親の力量が問われる。
例をあげると、ある小さな町に11歳の男の子がいた。家は町のはずれにあり、その子は学校で唯一の農家の子供。学校では誰もその子と口をきこうとしなかった。悩んだ両親が私のところに相談に来て、結局、春にクラスの男の子全員を農家に招いてパーティーをすることにした。春なので、動物の赤ちゃんがたくさんいた。何人かのお母さんも子供に付き添って来た。それは大成功で、その後その子が仲間外れにされることはなかった。心理学的な治療などの必要がないよい例だ。
いじめの種類
ミンダーさんによれば、いじめには大きく分けて3種類ある。まず第一は侮辱。容姿、服装、血筋、家族、気の弱さ、不器用さなどを理由に、その子の存在が不快なものであるかのように、繰り返し徹底的に攻撃すること。
第二に排除。体育の時間にチームを組むとき、誰も一緒になりたがらないなど、いわゆる仲間外れにする。それに加え、話す自由を奪うこと。その子が何か言うと、他の子どもたちが聞こえないふりをしたり、口出しするなと言ったりする。皆がその子がそこに存在しないかのようにふるまう。
最後に身体的ないじめ。ちょっと小突いたりするだけでも、毎日数人の子から何回も繰り返されると非常につらいもの。しかもその行為を周りの子が面白がったすると、その子はとてもみじめな気持になる。金銭を請求したりする脅迫もこのカテゴリーに入る。また最近、ソーシャルメディアを使ってのいじめが増えている。
いじめの一例?
13歳のある中学生は、ある生徒が長期間にわたって、多数のクラスメートにいじめられているのを見ていた。たいてい体育の後の着替え室でだ。着替え室には先生は入ってこない。数人がその子を叩いたり蹴ったり、服を濡らしたりするのを、誰かが携帯電話で写真を撮ったりした。その子は絶望しきっていたが、誰にもそのことを言わなかった。間違っていると思いながら観察していたその生徒も、担任に報告しなかった。状況が極度に悪化して初めて、いじめが明るみに出た。学校側が厳しい姿勢で対処することにより解決に至った。
swissinfo.ch : ミンダーさんはインターネットに載せた小論文の中に、「加害者が被害者の性格を定義する」と書いていますが、被害者が加害者に定義された性格を、自分でも信じてしまうことがありますか。「お前は生きる価値のない人間だ」と繰り返されると、本当にそうだと思ってしまうようなことが。
ミンダー : 残念だが、それは事実だ。それはその子に大きな傷を与え、自殺につながる危険性もある。
swissinfo.ch : いじめが原因で自殺したりするケースがスイスでもあったのでしょうか。
ミンダー : いじめに悩む子が心身を病むのは、珍しいことではない。いじめの他にも心理的に重荷になる問題がある場合、あるいは相談できるような人がいない場合、自殺してしまうケースもある。
swissinfo.ch : ミンダーさんは心理療法士です。いじめられる子の療法として、どのような方法をとられるのですか。
ミンダー : 子供たちが回復し、強くなり、グループの攻撃の的にならないようになることが目標だ。自分の意見を主張したり、友達をつくる能力を身につけることだ。
私のカウンセリングセンターには砂場があって、そこで子供と遊びながら、学校での人間関係を砂で再現してみる。大きな子供とは普通に話をしながら、状況を分析し今後の対策について考える。気の弱い子供たちとボクシングをすることもある。ボクシングをしながら、自分で自分のために戦うことに抵抗を感じなくなることができるからだ。
swissinfo.ch : いじめっ子を殴り返して、いじめられなくなった例もあると聞きました。
ミンダー : 加害者は複数で被害者は一人であるため、暴力があっという間にエスカレートした場合、被害者がやられる危険性がある。そのため、殴り返すのは勧められない。ボクシングを一緒にするのは。加害者を殴り返すためではなく自分に自信をつけるためだ。
swissinfo.ch : いじめる方に、共通した性格がありますか。
ミンダー : 何か問題が起こったときに、腕ずくや悪知恵でそれを解決してきた子が、いじめっ子になりやすい。家庭に大きな問題のある子。いじめの動機としては、家庭でかわいがられている子供に対して感じるねたみとか、成績のいい子に対する嫉妬などが挙げられる。いじめられた子がいじめっ子になるというケースも多い。
swissinfo.ch : いじめの対策について聞かせてください。
ミンダー : 深刻ないじめが起こった場合、教師と校長は専門家に援助を求めなければならない。対策には三つのレベルがあり、ほぼ同時に進められていく。
第一は個人レベル。カウンセラーと、加害者と被害者とその保護者たちとの間で、長期間にわたる治療が行われる。
第二はクラスのレベル。カウンセラーが匿名のアンケートなどでそのクラスを調査し、担任がクラス内の力関係・人間関係を改善し、コントロールを強化しなければならない。例えば、グループ分けを生徒の意思ではなく担任が行ったりする必要がある。
第三は学校全体のレベル。学校全体が一丸となって、いじめの問題に取り組んでいくことだ。
また、いじめが起こる前に、ホームルームでいじめをテーマにするとか、いじめを予防するような規則をつくるとか、いじめがこのクラスでは許されないことをはっきりさせるのが大切。家庭でも、両親が注意深く愛情を持って子どもと話し合い、子供が自分の感情をコントロールできるような教育をするべきだ。
swissinfo.ch : いじめが起こった場合どのように対処するべきか、教師たちは十分な教育を受けているのでしょうか。
ミンダー : いじめがすでに起こった場合には、対処が難しいことが多いので、専門家に援助を求めることが勧められる。しかし、いじめの予防はクラスの担任の責任であり、どのようにクラスのマネージメントを行っていくか、あらかじめ熟考するべきだ。この点において、教師の再教育をさらに強化する可能性を探る必要もあるだろう。というのも、たとえ熟練した教師でもクラスのマネージメントは容易なものではなく、同時にこれはいじめの予防として不可欠なものだからだ。
ヴァルター・ミンダーさん(Walter Minder) 略歴
アールガウ州のバーデンにカウンセリングセンターを開設し、子供・青少年と保護者に心理療法をする傍ら、教師や教育関係の専門家たちを対象とした講習会を開く。また、いじめが発生した場合の危機介入マネージメントも行っている。2010年までスイスの連邦内務省保健局で、いろいろなリスクをはらむ成長過程にある青少年を、早期発見・早期介入によって保護する数多くのプロジェクトを提案。国や地方の団体とともにそれを実現してきた。
娘の様子がおかしい
楽しく学校に通って部活に励んでいた一人娘の様子がおかしいと、妻が時々話すようになってきたのは秋ももうすぐ終わりを告げる頃だった。
初めは気にもしていませんでしたが、酒の席で偶然聞いた親友の娘の話しになんだか背筋が冷んやりするイヤな感じを覚えました。
親友の話しによると、娘の4年先輩で今は他県の私立校に通っている。同じ中学内でいじめに遭い近くの高校に通わせたくなかった。
いじめは最後まで行き着くか、他に興味がわいて飽きてしまわない限り終わらないという。
最後まで行き着くとはいじめの対象が転校するか、自殺でもするかしていじめてる奴の前からいなくなること。
☆いじめられてる子が親に話さないことを、奴らは知っている。
教師は何事も無い良いクラスを望み、奴らは良い生徒を演じ教師はそれを見抜けない。
いじめられてる子は、クラスやクラブでいじめられてるところを見られています。
いじめられている自分といじめている奴らを、漫然と注意もしないでみている人間がいます。
酷い目にあっているところを他人に見られ、傷つき、誰も助けてくれないことを思い知らされます。
親でも救ってくれれないだろうと考えたり、いじめられてること自体を話すことが恥ずかしいと考え相談できなくなるようです。
「自分の娘を守れるのは自分しかいない」ことを自覚して、最悪の事態を招かないようにしなければいけない。
いじめを感じたらすぐに行うべき3つのこと
「どうせすぐに収まるさ」と楽観的に考えたくなるのはわかります。
最悪のことを考えるのはとても気が重く苦しいことだから。
でもね、後で笑い話しになるならこんな嬉しいことはありません。
「備えあれば憂いなし」です。
1つ目
道具を揃えましょう
ICレコーダー
カメラ
GPS
ノート
ICレコーダーもカメラもスマホで代用できますから、使い方をよく熟知するようにしましょう。
娘の部屋の細々したところをチェックするのは大変ですが、ノートだったりバックだったりにいたずら書きがあったりしたらカメラ機能を使ってしっかり証拠を取っておきましょう。
くれぐれも娘に気づかれないように行わないと娘の唯一の居場所もなくす最悪の逆効果になります。
やり過ぎに注意しましょうね。
遠くでも撮れる望遠のカメラ機能や動画撮影が出来れば最高なんですが、おそらく貴方の技術が追いつきません。
家の外でのことは探偵とかその道のプロに任せて今は家庭で出来ることに集中しましょう。
GPSは娘さんの了解を得られたなら、設定してもらいましょう。
2つ目
記録をつけ始めましょう。
1つ目で用意したノートでも何でも良いので、娘さんの毎日の記録をつけましょう。
娘さんに尋ねるのは今まで通りのことだけです。
普段貴方との会話が無いようでしたら、奥様に『今まで通りの感じ』で接していただいてその内容と行動を全て記録するようにしましょう。
このノートを書き続けていると、娘さんの行動パターンが見えるようになってきるかもしれません。
貴方に見えなくてもその道のプロが見ればわかるかもしれません。
何曜日に帰りが遅いとか顔色が悪かったとか。
何日に突然外に出て行ったとか朝食を食べなかったとか。
感情を堪えて出来るだけ多くの情報を記録するようにしましょう。
3つ目
話す機会を持ちましょう。
え、今更ですか。
って聞こえてきそうですが、男親にとってコレが一番難しいことかもしれませんよ。
何しろ思春期真っ盛りの娘さんには、男親は汚らわしくて、ウザくて、ただ欲しいものを買ってくれる存在(言い過ぎました?)でしか在りません。
それでも機嫌の良い時もあるでしょうし、欲しいものがあるって話してきたら、
ウルサがられない程度に少しずつ話題を膨らまし、話しをする機会を増やしていきましょう。
「父も少しは話せることかも」って思ってもらえることが大事です。